お遍路・八十八カ所巡りマメ知識

お遍路に関して、よくある質問・回答

お遍路は、観光目的で行ってもいいの?
どのような目的でお越しになられても結構です。観光目的の他、ご親族の供養、いろいろなご祈願、今までの人生の懺悔のため、自分探しのため、健康維持のため、ストレス解消のためなど 目的は、人それぞれです。
お遍路には、誰でも行けるの?宗教が違ってもいいのですか?
お遍路は、修行の旅ですので宗教を問わずどなたでもお参りできます。ただ、納経をされる場合、納経軸、ご朱印用白衣は、ご自宅の宗派のご本尊のものをお買い求めになることをお勧め致します。
どんな方法で巡ればいいのですか?
四国八十八ヶ所めぐりは、「歩き遍路」「タクシー遍路」「バス遍路」「レンタカー遍路」 「自家用車遍路」があります。今、一番人数が多いのが「バス遍路」です。主に西日本で募集による日帰りバスツアーが盛んに行われています。関東より東の地区は募集でのバスツアーは、あまり無いのが現状です。
当社は、タクシーによる遍路を主に行っております。1名から9名ぐらいで気の合った仲間同士で気軽にゆっくりと巡り、先達資格を持った運転手が乗務しますので本来のお参りが出来ます。お遍路としては、今、一番の人気です。 お遍路は歩き遍路が一番いいのですが、約1,400kmの道のりを踏破しないといけませんので、本当に体力、忍耐力、気力が必要になります。この頃、歩き遍路を希望される方がかなり増えておりますが、安易に考えてお越しになる方が多く、途中で約70%ぐらいの方がギブアップされております。
こちらにお越しの前に、綿密な計画(お寺間の距離・宿泊場所など)と体力作りをお勧め致します。 詳しくは、「お遍路の回り方プラン」のページを参照して下さい。
途中のお寺から回ってもいいのですか?
お寺の回り方の決まりはありません。どのお寺から回っても結構です。ただ、八十八ヶ所すべてを回る予定でしたら、やはり1番(阿波の国)から順番に回るのが効率が良くスムーズに回れると思います。
途中から回ると次にお越しになるとき、遠周りになったり、戻らないといけなかったりで時間も費用も余計にかかる場合があります。 うるう年は、逆打ちをなさる方が多いです。
どの季節に行けば一番いいですか?
巡拝のハイシーズンは、3月~4月、10月~11月です。この時期は、気候が良いので、多くの巡拝の方がいらっしゃいますが、宿泊を伴う場合は、たいへん宿泊施設が込み合いますので早めのご計画、ご予約をお勧め致します。
当社としてのお勧め時期は、1月中旬~3月初旬、5月~7月中旬、9月、12月初旬~中旬です。比較的巡拝の方も 少なく納経所も込み合わないので、ゆっくりとお参りが出来ます。
巡る日数はどれぐらいが適当ですか?
四国八十八ヶ所と高野山まいりを1回で巡ると、バス遍路で約13日間、タクシー遍路で約11日間、レンタカー・自家用車遍路で約12日間、歩き遍路で高野山まいりを除いて約45日~60日ぐらいかかります。
遠方の方は、何度も四国にお越しになるには交通費がかなりかかりますので、1回で回られるか2回に分けて回られる方が多いです。近県の方は、3回に分けるか、2泊3日、日帰りで回られる 方が多いです。 巡拝旅行の費用はかなりかかりますので、よく考えてプランをお立て下さい。
巡拝旅行の費用はどれぐらいですか?
一番費用が高いのが、歩き遍路です。旅行日数が長いので宿泊費、昼食費がかさみます。歩き遍路で全周をすれば、約50万円~60万円は必要です。高野山に行かない場合の募集バス遍路は、お一人当たり約28万円ぐらい、貸切タクシー遍路は、8名様乗車でお一人当り約21万円ぐらい、2名様乗車で39万円ぐらいです。レンタカー遍路は、小型のレンタカーを利用したとして、お一人当たり24万円~29万円ぐらい、自家用車遍路だとお一人当たり19万円~25万円ぐらいです。
宿泊施設によっても費用はかなり変わりますので、ここに記載している料金は、めやすとしてご参考になさって下さい。それぞれメリット・デメリットがありますので、よくご検討をされることをお勧め致します。
詳しくは、「お遍路の回り方プラン」のページを参照して下さい。
お遍路に行く場合の服装、持ち物のアドバイスをお願いします。
お遍路の服装に決まりはありませんので、ご自由な服装でお越しいただいて結構です。ただ、せっかくのお参りですので、身を引き締めるために「白衣」、修行の身であり自らの戒めとするしるしとして「輪袈裟」、弘法大師の分身としての「金剛杖」、巡拝の証として本堂・大師堂に納める「納め札」、般若心経が載っている「佛前勤行集」、ご朱印をいただく「納経帳」はお持ちになる事をお勧め致します。
あと、巡拝に便利なものとして、お線香・ローソクが収納できる「御法燈セット」、納経帳・納め札・数珠・教本・貴重品などを入れる「山谷袋」、道中の魔除け、般若心経読経のときの句読点のための「持鈴」などがお勧めです。
詳しくは、「お遍路グッズ」のページを参考して下さい。
持ち物は、保険証・常備薬・筆記用具・雨具(簡易カッパ)・ティッシュ・目覚まし時計(朝早いので)カメラはなどは必需品です。宿坊、民宿に宿泊しなければ、寝巻き・洗面用具は、必要ありません。
お遍路は、宿坊に泊まらなければいけないですか?
宿泊施設は、宿坊、民宿、旅館、ホテルがありますが、どこにお泊りになっても結構です。近頃は、宿坊にお泊りになる方は少なく、旅館、ホテルをご希望される方が増えております。ただ、宿泊地によっては、民宿しか無い地域もございますのでご了承をお願い致します。
また、お部屋は、和室がご希望か、洋室がご希望かをお教えいただきますと、ご要望に極力お答えしております。四国は、田舎ですので、有名温泉地のような豪華で立派な宿泊施設は、あまりございませんのでご了承をお願い致します。
「先達」さんってどんな人ですか?
四国八十八ヶ所をもう何回も巡っている経験豊富な巡拝の案内・先導役です。お参りの作法やお寺のいわれ、弘法大師の教えをお伝えしたり、お寺の本堂・大師堂でご一緒に般若心経をお唱え致します。「先達」と一緒だと本来のお参りが出来ます。「先達」がご一緒できる巡拝旅行はバス遍路とタクシー遍路が多いです。
納経(ご朱印)・御影って何?
納経は、本来は、般若心経を写経して納め、その証として霊場寺院が宝印を押したものです。今では、お参りをした証として、納経帳・納経軸には、本尊を表す梵字と本堂に名前、寺院の名前を墨書きして、その上に朱印を押していただけます。ご朱印用白衣には、ご朱印のみになります。納経には3種類ありますが、すべて納経(ご朱印)をなさってもいいし、納経帳だけなさってもいいし、なにもしなくても結構です。ご自身のご希望でなさっていただければと思います。
「御影(おみえ)」は、そのお寺のご本尊を印刷した札です。納経帳又は納経軸にご朱印をいただくと一枚ずついただけます。このお札は、お参りの証として、「御影帳(おみえちょう)」に保存して大切にするか、掛け軸や額に表装してお家に飾って家宝として扱います。
 ※「ご朱印用の白衣」にお朱印をいただいても「御影」はいただけません。

納経の種類・料金
●納経帳・・・・・・1ヶ寺当り  300円
1冊の本になっており、1ヶ寺ごとに墨書きとご朱印をいただきます。八十八ヶ寺と高野山奥の院の89ヶ所分をいただくようになります。この納経帳は、ご本人が生きている内は家宝に、お亡くなりになれば冥土に持って行きます。
●納経軸・・・・・・1ヶ寺当り  500円
掛軸(ご自宅の本尊が入った物)をあらかじめご購入いただき、掛軸の上に1ヶ寺ごとに墨書とご朱印をいただき、高野山まで満願をすると、それは見事な掛軸(表装が必要)になります。一家の家宝としてまた、子孫に残していくものです。
●ご朱印用白衣・・・・・・1ヶ寺当り  200円
皆様が着ている白衣とは別のもので、背中の面にお寺ごとの御詠歌が印刷してあり、その上にご朱印を押していただけます。生きている間は、家宝として、またお亡くなりになった場合、冥土への晴れ着として着て行きます。この白衣は、洗う事はご法度とされていますので大切に保管して下さい。

納経所の納経時間
納経所(ご朱印をいただく所)の開所時間は、午前7時、閉所時間は、午後5時です。午後5時以降はご朱印が出来ませんので行程を組む場合、注意が必要です。

基礎知識

四国八十八カ所の由来

弘法大師が42歳のとき、四国八十八ヵ所の霊場を開いたとされている。また、弘法大師入定後、高弟真済がその遺跡を遍歴し始まったとされる説がある。八十八という数は、煩悩の数や、「米」の字を分解したもの、または男42、女33、子供13の厄年を合わせた数などという説がある。

十善戒

【一】不殺生
(ふせっしょう
殺生することなかれ
【二】不偸盗
(ふちゅうとう)
盗むなかれ
【三】不邪淫
(ふじゃいん)
邪淫することなかれ
【四】不妄語
(ふもうご)
偽りをいうことなかれ
【五】不綺語
(ふきご)
虚飾の言葉をいうことなかれ
【六】不悪口
(ふあっく)
悪口をいうことなかれ
【七】不両舌
(ふりょうぜつ)
二枚舌をつかうことなかれ
【八】不慳貪
(ふけんどん)
貪ることなかれ
【九】不瞋恚
(ふしんに)
怒ることなかれ
【十】>不邪見
(ふじゃけん)
よこしまな考えを起こすなかれ

四国八十八カ所の三信条

  • 摂取不捨の御誓願を信じ、同行二人の信仰に励む。
  • 何事も修行と心得て愚痴、妄語を慎む。
  • 現世利益の霊験を信じ、八十八使の煩悩を消滅させる。

寺での巡拝順序

  1. 山門や仁王門に一礼して境内へ入る。
  2. 水屋で口をすすぎ、手を洗う。
  3. 鐘楼で鐘を撞く。
  4. 本堂の納札箱に納め札、写経を納める。
  5. 続いて、お灯明、線香、賽銭をあげる。
  6. 合掌し、心静かに読経(御詠歌、回向文など)する。
  7. 大師堂へ行き、本堂と同様に参拝する。
  8. 納経所で納経帳に朱印をもらう。

読経の順番

  1. 合掌礼拝(がっしょうらいはい)
  2. 開経偈(かいぎょうげ)
  3. 般若心経(はんにゃしんぎょう)
  4. 御本尊真言(ごほんぞんしんごん)
  5. 光明真言(こうみょうしんごん)
  6. 御宝号(ごうほうごう)

お四国のしきたり

  • お宿では先ず、金剛杖を洗う。
    宿に入る時には先ず、金剛杖の先(大師の御足)を洗って宿に入ります。
  • 橋の上ではお杖をつかない。
    お大師様が、橋の下で寝すまされるようなご苦労をなされたことから、お遍路さんは橋の上では杖(金剛杖)をつかなくなりました。

遍路用語

札 所 徳島二十三ヶ所、高知十六ヶ所、愛媛二十六ヶ所、香川二十三ヶ所、計八十八ヶ所の霊場のこと。
打つ 霊場におまいりすること。昔は木の納め札を札所に打ちつけていたことから、この言葉が残っています。「何番を打ちました」といえば何番かにおまいりしたことです。
通し打ち すべての霊場を一遍に打ち上げること。
逆打ち 札所を逆番に巡拝すること。逆打ちは難コースが多いので、逆打ち一回は順打ち三回と同じ功徳・ご利益があるといわれています。
打ちぬけ 霊場にきた道をもどらないで、境内から次へと進む道にでることです。
打ちもどり 霊場から次の霊場へ巡拝する場合、もと来た道を再び引き返すことです。
同行さん 遍路同士が相手を呼ぶときに使います。巡拝中に会ったときは、ご宝号を唱えて合掌します。
お接待 遍路さんに物品、金銭などを施すこと。接待は善根の施し、大師への供養になると信じられています。
一国まいり 1つの県を一国とし、巡ること。

衛門三郎(えもんさぶろう)の物語

四国を巡礼中の弘法大師が、ある日、愛媛県松山市の郊外の大きな屋敷に托鉢に訪れた。そこの主人の衛門三郎は強欲で、何度も訪れる乞食僧(大師)を追い払い、最後には大師が持っていた鉄鉢を八っつに割ってしまった。その後大師は衛門三郎の屋敷を訪れることは無かったが、三郎の子供八人が次々と亡くなった。そこで、三郎は托鉢に訪れた人が弘法大師と気付き、今までの自分の行いを悔い、大師を求めて遍路の旅に出ました。
 しかし、簡単には会えない。二十数回目に、一番から順番に回るのをやめ、逆に回り始めた。心身とも疲れ果て、十二番の焼山寺で倒れてしまう。意識が遠のいていくときに、大師が現れ、罪を許してもらった。最後の望みとして、「今度、生まれ変わるときは、領主になりたい」と願った。そこで大師から衛門三郎と書いた小石を授けられ、それを握ったまま死んでしまいました。
 その後伊予の領主に男の子が生まれました。ところが、その子の手はしっかりと握ったまま開かない。困り果て、安養寺(今の石手寺)に連れていき、祈念をした。そうすると、手から衛門三郎と書いた小石がでてきました。人々は衛門三郎の生まれ変わりと思い、弘法大師の偉大さを真に受け止めたというお話が、語り継がれています。